ブランディングとマーケティングの違いとは?

古賀デザインブログ
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マーケティングは売る側、ブランディングは買う側の視点

よく質問いただくことに、「ブランディングって、マーケティングとどう違うの?」があります。
私はブランディングとマーケティングの違いは「視点」にあると考えます。マーケティングは売る側の視点です。お客様を観察し分析して、今もっとも好まれる商品やサービスを開発。そして、それを知ってもらうためにあの手この手を尽くす、攻略する側の視点です。それに対して、ブランディングはお客様側の視点です。自社の商品やサービスの提供する価値がどのように見えるかをお客様の立場になって考え、自社の商品やサービスが選ばれる理由を「必然」と思ってもらうようにする、選ぶ側の感情にもとづく視点です。

対立?それとも内包?

簡潔に言えば以下のようになるかと思います。
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マーケティング:こちらから自分を売り込む努力
ブランディング:相手に自分を選んでもらう努力
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それでは、ブランディングとマーケティングはどちらが大切なのでしょうか?

書籍、あるいはブランディング会社のホームページなどでも、この両者について述べられた記事をたくさん見かけます。ただし、その説明には少しずつ違いがあります。ブランディングとマーケティングを対立的な概念ととらえている記事もあれば、ブランディングはマーケティングに内包されているように説明している場合もあります。さらに、マーケティングの業界では「ブランドマーケティング」という言葉が使われていたりもするため、両者の関係がさらにわかりづらくなります。

サッカーやラグビーにおける「守」と「攻」のイメージ

私は、ブランディングとマーケティングは渾然一体であるという考えです。ちょうどサッカーやラグビーにおける「守」と「攻」のようなものだと捉えています。野球のように「守」と「攻」のフェーズが明確に入れ替わるのではなく、絶えず守りながら攻める、攻めながら守るが続く状態です。攻略(=マーケティング)を仕掛けなければ得点をすることができない、しかし、攻略が不発に終わったとしても、強固な守備布陣(=ブランド)があれば、大崩れすることなく次なる仕掛けを検討できる。一方、ガチガチに守っているだけでは引き分けに持ち込めても勝ちはできない。そういうイメージです。マーケティングだけ、あるいはブランディングだけでビジネスを行うのはリスクが高い、あるいは得点(=売上げ)をあげにくいと私は考えます。

いつ時もブランディングを忘れないことが大切

ブランディングとマーケティングは、視点は正反対であるけれど、どちらを優先すべきというものではなく、「自社」「顧客」「競合」いわゆる3Cの状況を見据えた上で、局面に応じてどちらに注力するか、あるいはどちらに変化を与えるかを絶えず考えるべきものです。しかし、「今期の売上げ」などが頭をよぎると、ついついプロモーションやプライシングといったマーケティングに偏重してしまうのがビジネスの常ではないでしょうか? そのようなことからすると、「いつ時もブランディング(=お客様の視点)を忘れないように」というのが、ビジネスにとっては大切なことかもしれません。

以上、私なりにブランディングとマーケティングの違いについて述べてみました。学術的には正しくないかもしれませんが、このように考えて日々活動しています。

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