1. 選ばれる理由を整える

「性能が良ければ選ばれる」は過去のもの

例えば住宅会社の場合、「耐震や断熱の性能が高ければ顧客に選ばれる」と多くの会社が漠然と考えています。しかし、材料や設備機器の性能向上により、どの会社も性能の差はほとんど無くなりつつあるのが実情です。商品の性能とは別の「選ばれる理由」が整っていなければ競争に勝ち抜けないのです。

200組以上のインタビューで見えてきた「選んだ理由」

私はこれまで、200組を超える注文住宅のオーナーに、それぞれ1時間近いディープインタビューをしてきました。住まいづくりのきっかけから、1社に絞り込んだ決め手や理由、住まいづくりに対する要望などです。そこで見えてきたのは、オーナーが依頼先を決めるまでのさまざまな「心の動き(インサイト)」と「選んだ理由」です。

自社の提供価値を正しく理解している会社は実は少ない

その一方で、多くの会社が自社が選ばれた理由について把握していないこともわかりました。顧客の心の動きや、自社のどのような提供価値に顧客がメリットを感じたのかを正しく理解せぬまま集客活動をしいるのです。これは非効率であるとともに、大変もったいないことです。

ブランディングとは「選ばれる理由」を整えること

顧客の「選ぶ理由」と自社の「選ばれる理由」が一致すれば、顧客は貴社に共感し好意を寄せるようになります。そして、ライバルは自然に淘汰され、貴社は必然的に選ばれます。ブランディング第一歩は、まず自社の提供価値を客観的に理解し伝わる化すること、つまり、「選ばれる理由」を整えることが起点になるのです。