スタッフブログを新入社員が書くべきではない

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新人社員が書くべきでない3つの理由

多くの会社が自社のホームページに「スタッフブログ」を設けています。それらを見てみると、新入社員などの若手社員が持ち回りで執筆しているケースを多く見かけます。しかし、私は若手社員がスタッフブログを書くことをおすすめしません。理由は次の3つです。

共感や信頼を得られなければならないから

まず最初に、そもそも、スタッフブログをホームページに掲載する目的を考えてみましょう。10年以上前は「スタッフに親近感を持ってもらうため」といったことも言われていましたが、それはSNSが登場する以前の話。現在は、スタッフブログを読んだお客様が「さすがプロフェッショナル」と感心・共感し、この会社の商品を買ったら、あるいはこの会社にサービスを依頼したら間違いないと確信させることがスタッフブログの目的です。

では、入社したての若手社員に知識や経験に基づいた訴求力のある文章が果たして書けるでしょうか? 若手社員ですから勤務年数はまだ短く、業務経験も浅いのが当然です。お客様に接した回数も、修羅場をくぐり抜けた経験もベテラン社員に比べればずっと少ないのは仕方ありません。そんな経験の中から、お客様の確信にまで結びつけるような文章を書くのは至難の業であることは、容易に想像できるかと思います。

業務に精通した人が書くべきだから

ふたつめの理由、それはSEO(検索エンジン最適化)です。Googleなどの検索サイトで検索をしたときに上位表示されるページは、テーマについて詳しく、それでいてわかりやすく書かれたオリジナルのコンテンツのページです。また、記事のボリューム(内容の豊富さ)も重要視されると言われれています。したがって、スタッフブログとして自社の商品やサービスに関する記事を積み重ねていくことは強力なSEOになり、検索結果の表示順位も上がっていきます。簡単に言えば、スタッフブログに書かれている内容、用語に検索ワードが数多くヒットするようになるのです。

しかし、若手社員が当番制で書いているスタッフブログの中には、まだ浅い業務経験からのネタに窮したあまり、休日に行ったカフェのことや、自分の趣味といった、業務とは全く関係のない内容で書かれているものも多くあります。ホームページへのアクセス数が突然増えたと喜んでいたら、そのほとんどがスタッフブログに書いた人気スポットを検索した結果のアクセスだったという笑い話はよくあるものです。もちろん、これらが自社の商品やサービスのSEOにつながることは決してありません。「取引先に親しみを感じてもらうため」という言い訳もあるかもしれませんが、それは個人のブログやSNSでやりましょう。

社内の情報共有につながるから

最後に「社内教育」です。私は、中堅以上のベテラン社員がスタッフブログを書くことを推奨しています。社長自ら、あるいは取締役・部長クラスであれば、なお良しです。理由は、前述したお客様の確信を得る以外に、自らの豊富な業務経験、時には失敗談を文章化することで、自分だけが持っていた業務における「暗黙知」を社内全員が共有する「形式知」にできるからです。わざわざ勉強会をしなくても、積み重なったベテラン社員のスタッフブログを読むことで知識を共有でき、社員のスキルアップにつながるのです。また、ベテラン社員や経営陣が率先して集客活動に取り組む姿は、社内のモチベーション向上にもつながります。

ブログは中堅以上の社員が書くべき

新入社員や若手社員に、まるで掃除当番のようにスタッフブログを書かせ、それを読んだベテラン社員や社長が、内容が薄いだの、ピントがずれているだの、あーだこーだ言う。はっきり言って最悪の図式です。書いている若手社員のモチベーションも下がり、ブログ当番が苦痛になってきます。そして、その「空気感」はスタッフブログを介してお客様に伝わります。何も良いことは無いのです。

スタッフブログは、会社の「いま」と「これから」を伝える重要なメディアです。広報担当スタッフなど専門のトレーニングを積んだ社員は別として、業務経験が浅く、経営計画もまだ頭に入っていない新入社員などがブログを書くべきではありません。中堅以上の社員や経営陣が会社を代表して、そして、その道のプロフェッショナルとして書くぐらいの気構えで取り組むようにしてください。

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