古賀デザインのワークショップって?
当ホームページのブログでは「ブランディングのワークショップ」という言葉が頻繁にでてきますが、その具体的な内容についてはあまり触れてきませんでした。もったいをつけて隠していた訳ではなく、古賀デザインが考えるブランディングが、一般的なブランディングの概念とは少し異なることをお伝えすることを優先したためです。
「一般的な概念との違い」とは、古賀デザインのブランディングが「ロゴやマークを新しくすることがゴールではない」「経営陣や経営企画セクションだけで決定しない」「会社のイメージアップが主目的ではない」、そして「できるだけお金をかけない」などを特徴としていることです。
というわけで、今回のブログでは古賀デザインのブランディング・ワークショップの特徴についてご説明したいと思います。
目的は「誰に何を+4P」を抽出すること
ワークショップの目的は、「誰に何を+4P」を決め、ワークショップのメンバーがそれを共有することです。4Pとは、「Product(商品・サービス)、Price(価格)、Promotion(広告・宣伝)、Place(流通)」の4つのこと。 この4つのPを組み合わることで企業に最適なマーケティング手法を考えるのが、マーケティングの基本(マーケティングミックス)といわれています。
古賀デザインでは、さらに「誰に(ターゲット)、何を(提供価値)」を決めることでマーケティングの活動指針がより明確になると考え、抽出項目に加えています。下図をご覧ください。
内容やステップはいたってオーソドックス
「誰に何を+4P」を抽出するためのフレームワークは特に変わったものではありません。「環境分析」から「基本戦略」を立て4Pを規定する手法は、マーケティングの世界ではオーソドックスといえます。アレンジした部分といえば、環境分析の段階で「事例分析」を加えたことと、基本戦略の段階で「VRIO分析」を加えたことぐらいでしょうか。
また、それぞれのステップで使う「3C分析」や「SWOT分析」も、マーケティングの世界ではおなじみのツールです。多くに使われ評価されているツールは有用であるからだと捉え、先人によって開発されたこれらのツールを積極的に活用しています。
これって、ブランディング?
ここまで読まれて疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。「これって、ブランディング? どちらかというとマーケティングじゃないの?」と。そのとおりです。古賀デザインのブランディングの最大の特徴は、マーケティングと表裏一体の関係づくりを考えるところにあります。ロゴやマークを新しくしたり、提供価値をスローガン化することがブランディングの目的ではなく、具体的施策である4Pと連動できるターゲット(誰に)と提供価値(何を)を抽出することが目的だと考えるからです。
提供価値をスローガン化するのはいたって簡単です。なんとなく耳触りの良い言葉をキーワードに、気の利いたキャッチコピーを作れば良いからです。具体的なマーケティング活動に落とし込むことを前提にしなければ、いくらでも大風呂敷を広げたスローガンを作ることができます。実際、そのようなスローガンやタグラインはそこら中で目にすることができます。
しかし、古賀デザインはこのような無責任なブランディングを避けたいと考え、提供価値が4Pと連動できるかを検証するまでをブランディングとして捉えています。あえて自らハードルを上げるならば、「売上につなげるブランディング」といえます。
大切なのはステップを踏むこと
さらに、上の図でお伝えしたいことがあります。それは「環境分析→基本戦略→具体的施策とステップを必ず踏んでいただきたい」ということです。経営に携わる方にはせっかちなタイプがどちらかという多いようにお見受けします(スミマセン!)。そのため、いきなり「誰に何を+4P」を決めたがりがちです。しかし、そのような場合は往々にして的はずれな4P、特にPromotion(広告・宣伝)ができあがってしまいがちです。また、その理由は明白で、客観的な業界環境分析(3C分析)を行っていないことに起因するのがほとんどなのです。
一見すると遠回りのようではありますが、精度の高いブランディングのためには、必ずステップを踏んで「誰に何を+4P」を抽出すると心得てください。
次回のブログでは、それぞれのステップについてもう少し詳しく解説していきたいと思います。