シナリオを客観的に想像する

ブランディングをする、あるいはホームページを作成するにあたって、最も必要なことはなんでしょうか? 私は「想像力」だと思います。自社が社会に対して発信する提供価値は、どのような人にキャッチしてもらえればよいのか、その時の気持ちの動きはどうなのか、そしてその結果、どのようなアクションをしてもらうのかといったシナリオを、客観的に描けることが必要だと考えます。シナリオさえきっちり固まれば、その節目節目、例えば商品を知ってもらう、興味関心を持ってもらう、比較検討してもらう、購買行動を起こしてもらうときにどんな情報を提供するのが最適かが自ずと決まってくるからです。

シナリオづくりのためにペルソナを決める

さて、シナリオを作成するにあたってまず最初にしなければならないのがターゲットの選定です。ターゲットは絞り込んで具体化するほど施策が明確になります。この具体化されたターゲットは、マーケティング用語で「ペルソナ」とも呼ばれます。ペルソナを決めるにあたっては、性別や年齢、職業や年収はもちろんのこと、趣味や嗜好、週末の過ごし方など、まるで実在する人を対象にするかのように詳しく設定することがポイントです。

なお、必ず守って欲しいことは、ペルソナは1人にすることです。私がブランディングのサポートをしていく中でよくあるのが、ターゲットを決めようとすると「こんな人も、そんな人も、場合によってはあんな人も」と、結局ほとんどすべての人をカバーしようとする方がいることです。往々にしてこのようなブランディングはうまくいきません。例えば40代の女性と20代の男性では、価値観も嗜好も、接触するメディアもまったく異なります。同じ女性でかつ同年齢であっても、職業やライフスタイルが違えば同様のことが言えます。これでは、ブランディングするにもマーケティングするにも軸足が定まらないのです。

ペルソナの行動(カスタマー・ジャーニー)を想像する

ペルソナが決まれば、その人が普段はどのようなメディアに接するか、どのような呼びかけに反応するか、興味や関心は何か、買うものを選ぶ際に何を「選ぶ理由」にするのか、などを考えていきます。また、そのペルソナがフェイスブックやインスタグラムといったSNSのユーザーと想定していたなら、どうすればSNSにアップして拡散してもらえるか?も考えておくことが大切です。

マーケティングの世界では、こういった一連の購買行動を「カスタマー・ジャーニー(顧客の旅)」といったりします。ペルソナの行動とその時の思考や感情を時系列に沿ってモデル化することで、顧客と自社との接点を抽出し、適切な場所やタイミングで適切な情報を伝えることを検討できます。

カスタマー・ジャーニーにおいては、自社の商品やサービスが「選ばれない」シーンを想像することも大切です。これもブランディングのサポートをしているとよくあることなのですが、「自社の商品は最高の素材を使い、丁寧に作っているのだから選ばれて当然」はたまた「一生懸命がんばっているのだから、自分たちは評価されるべき」を起点にされている場合があります。そのお気持ちはわかりますが、ユーザーは残酷です。興味や関心をひく情報が見当たらなければ、ものの一瞬で他社のホームページに移ってしまうのです。最悪のシナリオを考えることで、そうならないための予防策が思いつくと心得てください。

想像力と都合の良い思い込みをはき違えない

このようにして、自社とペルソナとのコミュニケーションのシーンを最初から最後まで想像することで、顧客が節目節目で求める、知りたい情報が次第に浮き彫りになってくるのではないでしょうか。その知りたい情報が「コンテンツ」になるのです。ブランディングをする、あるいはホームページを作成するにあたっては、ぜひ想像力をフル働かせて、「選ばれる理由」につながるコンテンツを考えてみてください。

ただし、この時にもっとも邪魔になるのが「思い込み」です。先にも言いましたが、自社の商品やサービスに対する愛が強すぎて「売れて当然」と考えること、あるいは、過去の成功体験を引きずってしまうなどです。顧客の購買行動や嗜好はどんどん変わりますから、過去の成功体験ほどあてにならないものはありません。

経営者の思い込みで都合よく解釈するのではなく客観的な判断をするためには、社内の複数の人たちで忌憚なく意見を出し合うことが大切です。経営陣だけでなく、若いスタッフに入ってもらうのも良いかもしれません。さらに、社外の人にも入ってもらって客観的な意見をもらうのもおすすめです。古賀デザインでは、カスタマー・ジャーニーを含めたブランディングやコンテンツづくりのためのワークショップをお手伝いしています。ご興味がある方は、ぜひお声がけください。

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