コンテンツは「ユーザーが知りたいこと」
前回のブログでは、コンテンツをガッチリ固めてからデザインを考えることに着手すべきと書きました。ホームページ作りで最初にすることは、デザインではなくコンテンツ作りだということです。
それでは、ホームページのコンテンツって何をどうやって作れば(書けば)良いのでしょうか? 実は私がホームページ制作のサポートをおこなっている中で、最も相談を受けるのがこの部分です。そのようなとき、私は「ホームページを訪れるユーザーの気持ちを想像することが大切です」とお伝えしています。ユーザーの気持ちを想像して、知りたいであろうことをコンテンツとして準備しておくのです。
大切なのはユーザーの気持ちを想像すること
ユーザーがホームページにやってくるのには必ず理由があります。ただし、その理由は困りごとであったり、悩みであったり、疑問であったり、知識欲からくる情報収集であったりとさまざまです。それに対してホームページ側としては、やってくるユーザーの気持ちや理由を先読みし、その「答え」となるであろうことをわかりやすく提供することで、ユーザーの好感や興味を得ることができます。さらに、この好感や興味が関心、そして共感へとつながっていけば、数多とある同業種の中から貴社がユーザーに「選ばれる理由」なるのです。
ユーザーにとっては「私の悩みや疑問に対して的確な答えを持ち、対応してもらえる会社」が、その会社の提供価値となるのです。
いきなり「代表あいさつ」はNG!
では逆に、トップページが「代表のあいさつ」や「我が社のこだわり」、「企業理念」で埋められていたとしたらどうでしょう? 悩みや疑問があって検索してきたユーザーは、そのようなものはほぼ無視して、さっさと問題解決の答えをホームページの中で探すために他ページに移動してしいます。
他ページに移動してもらえればまだ良い方で、「ユーザーの視点を持たない、気の効かない会社」と烙印を押されて直帰されてしまう可能性も少なくはありません。みなさんも自分がユーザーとしてこのような経験をされた方は多いのではないでしょうか。
しかし、上記のようなホームページはまだたくさんあります。理由はまちまちですが、最も多いのはホームページと会社案内(パンフレット)との役割分担について、会社の意思決定者(経営陣)レベルでの認識ができていないということです。いまだ「電子版の会社案内」とホームページを考えているため、そのようなことが起こるのです。
さすがに近年は冒頭に「代表のあいさつ」とともに社長の写真がトップページにあるホームページこそ減りましたが、トップページで自社の商品やサービスを自らで褒めちぎったホームページは普通に存在します。世の中のホームページの半分以上はそのようなものと言っても良いかもしれません。
商品アピールはタイミングを見計らって
自社の商品やサービスを自画自賛することは決して悪いことではありません。心血を注いで作り上げた商品やサービスですから、誇りに思うのは当然です。ただしポイントがあります。いきなり最初から商品特徴を猛アピールするのではなく、まずホームページを訪れるユーザーのお悩みを受け取り、問題解決の糸口を示し、その延長線上の解決策として自社の商品やサービスの特徴を示すということです。
なんともまどろっこしいように聞こえるかもしれませんが、例えばみなさんが営業訪問をした際に、いきなり自社商品のセールストークをまくしたてますか? 恐らく、まず先方のお悩みをうかがい、問題解決に自社商品が役立ちそうであれば、それを見繕って提案するのではないでしょうか? あるいは、店頭で商品を販売するときも、まずは来店したお客さんの要望に耳を傾けるはずです。
ホームページのコンテンツ設計は対面営業以上に緻密
実際に対面して悩みや要望を聞くときは、会話の流れや表情から臨機応変に提案が可能ですが、ホームページの場合はそうはいきません。どんなユーザーが来るのか? その時のお悩みや課題、そして気持ちの動きは? を対面の営業以上に緻密に予測し、求めているであろうこと、知りたいことをコンテンツとして準備しておくことが大切なのです。そして、その流れにユーザーをうまく乗せられるかどうかがホームページの成否に直結すると言えます。
次回のブログでは、ポイントとなってくる「予測」の方法についてご紹介したいと思います。