「カッコいいホームページにしたい!」に、ちょっと待った

ホームページのデザインを考えるのは楽しいものです。いざ自社のホームページを制作するとなれば、世に数多とあるホームページを眺め、「自社のホームページもこんな風にカッコよく、お洒落に」と想像をめぐらすことでしょう。でも、その際に必ず念頭においていただきたいのが、「ホームページのデザインは最後に考える」ということです。
また、デザインは自分たちが満足するものではなく、ユーザーにとって便益があるか?を考慮することも大切です。

デザインに気を取られ、コンテンツ作りが疎かになる

デザインを最後に考えなければならない最大の理由は、最初からデザインについて検討をすると、その良し悪し(好き嫌い)にばかり気を取られてしまい、肝心の中身であるコンテンツづくりが疎かになるからです。

デザインについて検討したり議論したりすることは楽しいことです。そのため、打ち合わせや会議の時間の大半をデザインの、それも本筋とはかけ離れたディティールに関してに費やしてしまい、そもそもホームページを制作したりリニューアルしたりする理由の核心部分である「何を伝えればお客様に自社の商品やサービスを選んでもらえるか?」の議論が希薄になってしまいがちです。
また、デザインが決定してしまえば、それでホームページができあがってしまったと錯覚して満足してしまうことも、コンテンツ作りが疎かになる原因です。

「では、デザインは何でも良いのか?」と聞かれれば、「それは優先順位の問題です」と私は答えています。見た目にバランスのとれた、見やすいホームページにすることは、ユーザーの使いやすさという便益の視点からも大切なことです。また、スマートで整ったデザインのホームページは、ブランドのイメージ向上にも寄与します。しかし、「ホームページの見た目がカッコいいから」だけで、商品やサービスを選ぶお客様はごく僅かでしょう。選ぶ理由は、やはり商品やサービスを紹介するコンテンツに納得できるか、共感できるかにあるのです。要は大切なことから順に整えていきましょうと言っているのです。

装飾的なホームページは激減した

6〜7年前から比べると、過度に装飾や演出に凝ったホームページは激減しました。かつてはたくさんあった、思わせぶりたっぷりのオープニングムービーが延々と流れるようなホームページや、どこをクリックしたら良いのか一見わからないほど端正すぎるホームページから比べると、現在のホームページ、特に大企業のホームページになるほど、びっくりするぐらい素っ気ないデザインと言えます。

理由は簡単です。ユーザーがホームページを検索する理由は、自分が知りたい情報がそこにあるかどうか、自分が選ぶにふさわしい商品やサービスかどうかです。それなのに、自意識過剰気味なムービーを延々と見せられても、それはユーザーにとって邪魔なノイズでしかないのです。結局、ムービーが終わる前に離脱することになります。オープニングのムービーに限らず、デザインに凝ったばかりに文字サイズが極端に小さくなったメニューや、過度な装飾や演出によってわかりにくくなってしまったインターフェースなど、ユーザーにとって使いにくいホームページは、淘汰されてしまったわけです。

みなさんが「わかりやすい」と思えるホームページを見てみてください。どれもレイアウトはシンプルで、見出しの文字装飾も最小限、使用している色数も整理されているかと思います。逆の見方をすれば、どのホームページも写真とロゴを隠してしまうとさほど個性は無く、似たり寄ったりと言えるかもしれません。そうなのです。コンテンツの内容で勝負できる、よくできたホームページに余計な装飾は不要なのです。

スマホがデザインを変えた

装飾的なホームページが激減した理由には、ユーザーの欲求とともに閲覧する環境も挙げられます。現在、ホームページを閲覧する端末のおよそ70%はスマートフォンと言われています。業種によっては90%に近いホームページもあります。したがって、最も利用される端末を基準にコンテンツや見え方を検討しなければならないことは、どなたでも想像できるかと思います。

スマートフォンの画面サイズは、デスクトップ型のパソコンと比べるとずっと小さいものです。この小さな画面に伝えるべき情報を表示しようとすれば、コンテンツの写真やテキストの表示が最優先となります。不要な装飾を加える余地はぐっと少なくなるのです。また、小さな画面でもタイトルや見出しがはっきりと読めるように、文字の装飾も減り、コントラストのはっきりとした黒い文字で表示されることが多くなったのです。

今後もスマートフォンに代表されるモバイル端末によるホームページの閲覧の割合はより高まっていくことでしょう。そうなると、「まず、スマートフォンでの表示デザインを検討して、それをパソコン用に展開する」という考え方が一般的になります。つまり、パソコンでしか見えない装飾要素について検討を行うことは少なくなり、コストをかけることも無くなっていくことでしょう。

ホームページ制作はコンテンツづくりからスタート

これからのホームページ制作は、提供価値や顧客との接点を想定してコンテンツを作り込み、その内容をいかにわかり易く伝えるかというデザインを最後に考えるという作業フローになっていきます。また、ここで言っているデザインとは、過剰な装飾としてのデザインではなく、使いやすさを考えるユーザーインターフェースとしてのデザインについてです。「提供価値=選ばれる理由」づくりは、ホームページの「額縁部分」の装飾ではなく、「絵の部分」、つまりそこに入る商品写真などのコンテンツで行うべきです。

ホームページ制作を始めると、どうしても競合他社をはじめとする、ホームページのデザインが気になります。「デザインはホームページ制作の主目的ではなく、大切なのは提供価値を伝えるコンテンツづくりと、そのわかりやすさ」と言われても、ついつい「デザインはどうしよう?」が気になってしまうのです。そのような心持ちで軸足がぶれないためにも、「デザインはコンテンツがガッチリ固まってから初めて着手する」というルールを作り、作業フローを決めるのが良いかもしれません。

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