30万円のワークショップは強気の価格設定?

前回のブログの後半で、古賀デザインがサポートする社員参加型ワークショップワークショップ形式のブランディングについて紹介(いわゆる宣伝ですね)させていただきました。マーケティングを前提にしたブランディング、また、ブランディングに基づいたマーケティングを体系的に構築するためのワークショップです。

この話をすると、時として「ロゴも作らないのに30万円もするの?強気の価格設定やね」という反応を同業者などからもらうことがあります。確かに、半日×6回のワークショップの最後にでき上がるのは、提供価値とそれに基づく提案依頼書(RFP:Request for Proposal)。これをもとに制作会社にオリエンテーションを行い、ロゴやホームページ、各種印刷物などを提案してもらいましょうというものです。その時点では、ロゴも名刺もホームページも何の形もありません。でも私は「結果的に30万円は安い」と考えています。

先に準備をしておくか、都度対応するかの違い

ロゴを作るとしましょう。ちゃんとしたデザイン会社であれば、いきなりデザインを起こすのではなく、ヒアリングや調査(深い浅いの差はありますが)を行い、デザイン以前の構想を行います。「基本デザイン」や「デザイン企画」、「プランニング」など名称はまちまちですが、内容は似たようなものです。当然このステップにも料金が発生します。ホームページも作成するにも、同じようなプランニング段階があり、これにも料金が発生します。広告を作るときにも同様です。

このように都度発生する、アイテムごとのプランニングを合算すると、結局は結構な金額になります。場合によっては30万円を超えることもありえます。一方、ブランディングに基づくきちんとした提案依頼書を事前に用意しておけば、個々のプランニングにかかる時間を圧縮、場合によっては無くすことができます。要は、いずれにしても後々に必要になってくる作業を先回りしてやっておくかどうかの違いなのです。

さらに、ロゴ、ホームページ、広告の制作会社が異なる場合、それぞれのヒアリング・調査結果やそこから導かれるブランドのトーン&マナーが全く同じになることは、まずありえません。ブレが発生します。当然、そのことは制作物にも影響してきます。担当者や担当部門が一元化されていれば、ブレはある程度のコントロールできますが、それぞれの発注部署が異なっていたりすると、それも難しくなってきます。しかし、事前に提案依頼書があれば、全ての制作物を同じ提供価値に立脚してつくることができるので、ブレの幅はずっと小さくなります。これも事前に提案依頼書を作成しておくことのメリットです。

デザイン制作のクラウド利用にも最適

また、これからはインターネット上(クラウド)のサービスを利用して、ロゴやパンフレット、ホームページなどの制作を行うことが普及していきます。最も有名な「ランサーズ」や最近TVCMをしている「ココナラ」などのサービス利用です。インターネット上で発注からヒアリング、途中のチェックまでを行なえるため、物理的な距離を気にすることなく、日本中(あるいは世界中)のクリエイターに依頼することができます。クリエイターの個性やタッチを選んで発注することも可能です。さらに、打ち合わせ等のコストが不要なこともあり、価格が非常にリーズナブルなのも特徴です。

ただ、これらのサービスを利用した方の感想としてよく耳にするのが、「結局、思っているものができなかった」ということです。メールや電話、ときにSkypeなどでやり取りはしたものの、そもそもの要件や提供価値が整理されていなかったことが、多くの場合の原因です。私も経験がありますが、要望をなんでもかんでも詰め込んでクリエイターに投げられても、投げられた方は消化不良を起こしてしまいます。どの要望を優先するのか、そもそも核となるものは何なのかが判然としないためです。直接会うことができないからこそ、ブランディングによってきちんと精査された提供価値に基づいた提案依頼をすることが必要なのです。

その点、ワークショップで提案依頼書をまとめておけば、極端な話、ロゴやパンフレット、ホームページなどはクラウドのサービスを利用して全て制作することも可能です。この場合も、全ての制作物を同じ提供価値に立脚してつくることができるので、別々のクリエイターに依頼しても一貫したトーン&マナーを守ることができます。そして何よりも、制作コストを大幅に抑えることが可能です。これは魅力ですね。

ブランディングはデザイン発注の軸足

以上が「結果的に30万円は安い」と述べている根拠です。うまくワークショップとその成果をご利用いただければ、元は取れるどころか、それ以上の効果があると考えています。特に、デザイン制作のクラウド利用は今後さらに普及し、ますます便利になっていくと思われます。その際、数多とあるクリエイターの作品や自己紹介に目を奪われてしまい、誰に依頼すべきかがわからなくなってしまう可能性があります。そのような時も、「自社の提供価値を最適に表現できるのは誰か?」という軸足を持つことで、目先のきらびやかさに惑わされることなく発注先を決めることができると考えています。

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