「ブランディングがよくわからない」理由
前回のブログ(「マーケティングの無駄はブランディングで減らせる」)で、「ブランディングはマーケティングに落とし込むのを前提に考えること」と書きました。具体的なマーケティングを想定しないブランディングは、概念ばかりが先行して、絵に描いたような優等生的な、あるいは雲を掴むような結論で終わってしまい、そのまま棚上げされてしまうことがあるからです。それでは、せっかく予算を組んで実行したブランディングも、効果を実感することができません。これが、「ブランディングはなんだかよくわからもの」という感想につながっているかもしれません。
今回は、この部分についてもう少し詳しく述べたいと思います。
まずは「ブランドの提供価値」づくり
以前のブログ(「ブランディングとマーケティングの違いとは?」2019.3.17)でも、両者の違いを「ブランディング=相手に自分を選んでもらう努力」「マーケティング=こちらから自分を売り込む努力」とし、ちょうどサッカーやラグビーにおける「守」と「攻」のように渾然一体とも述べました。実際の運用においては、両者がバランスよく機能することが理想です。ただし、これからブランドの提供価値を考えていく段階では、ブランディングを先行させることをおすすめします。まず、ブランドの提供価値の仮説をたて、次にそれを社会に広めていく手法(マーケティング)を考えるのです。
もう少し具体的に言うと、以下のような順序になります。
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1. 自社の市場におけるポジションや強味/弱味を理解し、未来に向けての課題を明確にします。
2. 課題を解決するための提供価値(お客様に選ばれる理由)の仮説を立てます。
3. 仮説した提供価値を社会に広めていくための、具体的なマーケティング施策の全体像を考えます。
4. 考えたマーケティング施策が全て実行可能か、またその効果はどのくらいかを検証します。
5. 検証の結果がOKであれば、実行のためのRFP(制作会社などへの提案依頼書)をまとめます。
※なお、4.の検証で効果が望めないと判断した場合は、提供価値についてもう一度考え直します。
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ここにはポイントが2つあります。ひとつはマーケティング活動全体が提供価値に立脚していること。もうひとつは、マーケティング活動の全体像を俯瞰して考えることです。
でも、ついつい目先のマーケティング施策に走ってしまう
あたりまえのように思えることですが、これらができていないマーケティング活動は頻繁に目にします。短期的な売上を目指すあまり、長きにわたり築き上げてきた提供価値とはかけ離れたような販促活動に走ってしまったり、ホームページとマス広告、店頭販促での提供価値がバラバラなマーケティングなどです。後者は、ウェブ、広告、販促の部署が分かれていることなどが要因で、かつ、提供価値の共有ということに立脚していないのです。そして、このような活動がたくさんの無駄を内包していることは、容易に想像できます。
ワークショップで「ブランドの提供価値」を見直そう
古賀デザインでは、このような無駄を発生させないために、マーケティングを前提にしたブランディング、また、ブランディングに基づいたマーケティングを体系的に構築するためのワークショップをご提案しています。提供価値づくりを体感するための半日×2回のライトなコースから、半日×10回で自分たちの手でホームページを立ち上げ、運用するまでのコースまであります。社員参加型のワークショップ形式なので、「どっかのコンサルがひねり出した提供価値」ではなく、自分たちの課題やビジョンに根ざした提供価値を抽出し、それを基軸にマーケティングのアイデアを立案・共有することが可能です。
「とりあえず予算の許す限りのマーケティング活動はしてみた。でも結果が伴わない」は、必ずどこかに原因があります。ぜひ古賀デザインにご相談ください。